会社を廃業する際には、会社を解散することを決めてから実際に廃業(清算結了)できるまで、さまざまな手続きがあります。
解散を決定した後も、各種届出や債権・債務の整理、残った財産の分配などの清算手続きが必要となるため、実際に会社がなくなるまでには3か月以上かかることも珍しくありません。
その際に気になるのが、法人住民税の均等割です。
法人住民税の均等割は、会社が赤字であっても原則として都道府県と市町村に払う必要があります。
これは、清算手続中の会社についても同様です。
「もう会社をなくすのだから、均等割は払わなくてもいいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、解散した会社も清算結了の登記が完了するまでは法人として存在しているため、清算結了までの事業年度については法人住民税の均等割を払う必要があります。
今回は、2026年7月時点の愛知県と名古屋市の法人住民税均等割の注意点についてかいています。
愛知県の場合
愛知県では、清算結了までの事業年度についても通常の事業年度と同じように法人県民税の均等割が課税されます。
下記が愛知県の法人県民税の公式ページです。
これを見ると、清算結了の事業年度に関して減免(税負担が軽くなる)措置が記載されていません。
念のため県税事務所に電話確認したところ、愛知県では法人県民税の均等割の減免措置はなく、通常どおり年税額を事業年度の月数で月割計算する必要があるとのことでした。
そのため、会社を解散したからといって愛知県の法人県民税の均等割がなくなるわけではありません。
名古屋市の場合
名古屋市でも、清算結了までの事業年度について法人市民税の均等割が課税されます。
下記が、名古屋市の法人市民税の公式ページです。

減免については下記のQ&Aのページに載っています。

清算中の法人は、申告納付期限までに減免申請書を提出することで、法人市民税の均等割の2分の1の減免を受けることができます。
「申告期限後に減免申請書を提出されても、減免は適用されませんのでご注意ください」とQ&Aにも記載があるため、申請書は忘れずに提出しましょう。
ここで気になるのが、清算結了の申告書の提出期限は、残った財産の分配が確定した日の翌日から1か月以内というところです。
「減免申請書を出してから減免が正式に決まり、そこから申告完了まで1か月で間に合うのか」という不安が出てきます。
この点、市税事務所に問い合わせたところ、実務上は「法人市民税申告書を減免後の税額で作成するとともに、減免申請書を添付し、申告期限までに提出」で差し支えないと回答を受けました。
そのため、減免された金額での申告書と減免申請書をeLTAXで一緒に送信しました。
なお、減免申請書を提出するときの添付書類には、解散時の登記事項証明書の写しが必要とされています。
通常は、解散直後に「法人の異動届」を提出し、解散時の登記事項証明書の写しを添付しているはずです。
そのため、減免申請の際は「すでに提出済」と記入することで、解散時の登記事項証明書の写しを再提出する必要はありません。
おわりに
2026年7月時点の愛知県と名古屋市の法人住民税均等割の注意点についてかきました。
会社を解散した後も、清算結了までは法人住民税の均等割が発生します。
地方税は地方税法という大きな共通ルールがあるものの、実際は各自治体の条例や運用ルールが異なることが多いです。
今回のように、愛知県と名古屋市でも取扱いに違いがありますので、会社を解散・清算する際は、県税事務所や市町村へ事前に確認することをおすすめします。
