経理を楽にする方法として、経費の支払いにクレジットカードを使用し、クレジットカードと会計ソフトを連携し、自動で利用明細を取り込んで経理を行う方も増えています。
しかし、会計ソフトに取り込まれた明細の内容が分かりにくいと、自動化のメリットを十分に活かすことができません。
会計ソフトの自動登録ルールや検索機能は、カード利用明細に表示される店舗名などの情報をもとに活用することが多いためです。
今回は、カード利用明細を分かりやすくし、会計ソフトの自動化を最大限活用するためのコツを2つご紹介します。
1.カードで支払うなら、できるだけ○○Payを経由しない
クレジットカードで支払える場面では、できるだけカードを直接利用することをおすすめします。
カードを直接利用した場合、多くのカード会社では利用した店舗名がカード明細に表示されます。
一方、カードを○○Payなどの決済サービスに登録し、そのサービスを経由して支払うと、カード明細には「○○Payご利用」「○○Pay加盟店」と表示されることがあります。
この場合、カード明細だけでは実際にどのお店で利用したのか分からず、別途○○Payの利用履歴を確認しなければなりません。
・カード利用明細
・○○Payの利用履歴
・領収書・インボイス
という複数の情報を照合して初めて取引内容を確認できる状態になります。
会計ソフトの自動登録ルールは、カード明細の店舗名を条件として設定することが多くあります。
カード明細に店舗名が表示されなければ、自動登録ルールを活用しづらくなるだけでなく、店舗名での検索も難しくなります。
カード決済そのものは便利ですが、カードで直接支払える場面では、あえて別の決済サービスを経由しない方が、会計ソフトの自動化を活かしやすくなります。
カードから経由させた決済サービスも会計ソフトと連携している場合は注意が必要です。
設定や登録方法によっては、カードと別の決済サービスのデータで重複して経費計上してしまうことがあります。
このような連携設定は複雑になりやすいため、経理を効率化するのであれば、別の決済サービスを使わず最初からカードだけにしておくことをおすすめします。
2.カード明細に店舗名が表示される購入先を選ぶ
カードで直接支払っても、利用する店舗によってはカード明細に店舗名が表示されないことがあります。
例えば、Amazonのマーケットプレイス(Amazonに出店している販売事業者)で購入すると、カード明細には「Amazonマーケットプレイス」などと表示されることがあります。
この場合、どの店舗から購入したのかカード明細だけでは分からず、
・Amazonの購入履歴を確認する
・領収書やインボイスを探す
・文内容を確認する
といった追加作業が必要になります。
実店舗でも「○○(カードブランド)加盟店」など、店舗名ではなく決済代行会社名や加盟店名義が表示されるケースがあります。
このような明細では、会計ソフトの自動登録ルールを活用しにくいだけでなく、手動での取引登録や確認作業にも大きな影響が出ます。
例えば経理では、
・カード明細から領収書やインボイスを探す
・領収書やインボイスからカード明細を探す
というように、カード明細と領収証等を双方向に照合する作業が日常的に発生します。
カード明細に店舗名が表示されていれば、店名や金額で検索してすぐに目的の取引を見つけることができます。
しかし、「Amazonマーケットプレイス」や「○○加盟店」といった表示では店舗名で検索することができません。
例えば、freeeではファイルボックスに保存した領収書から、未登録のカード明細を店舗名で検索して取引登録を行いつつ、領収書を取引に紐付けることがあります。
ところが、カード明細に店舗名が表示されていないと検索ができず、一覧を目視で一件ずつ確認しなければならないケースがあります。
さらに、同じ日に複数の利用があると、「どのカード明細がこの領収書なのか」を一件ずつ確認する必要があり、たった1件の取引を登録するだけでも何倍もの時間がかかってしまいます。
本来であれば、自動登録ルールを設定しておけばfreeeが自動でやってくれる処理です。
しかし、店舗名が分からない明細では自動登録ルールも活用できず、その都度、カード明細・領収書・購入履歴を照合する作業を繰り返さなければなりません。
1件ではわずかな時間でも、それが毎月何十件、何百件と積み重なると、大きな時間のロスになります。
そのため、継続的に利用する店舗を選ぶ際は、カード明細に店舗名が分かりやすく表示されるかどうかという視点も、経理のしやすさを考える上では大切です。
例えば、楽天市場は店舗ごとに決済されるため、カード明細にも店舗名が表示されることが多く、自動登録ルールや検索との相性が良い傾向があります。
Amazonを利用する場合でも、マーケットプレイスの商品ではなくAmazonが直接販売する商品を選ぶことで、多少検索がしやすくなります。
もちろん、価格や品揃えなどを優先する場面もありますが、日常的に購入する消耗品や備品については、「後から管理しやすいか」という視点も加えると、経理の負担を減らすことにつながります。
おわりに
経理が楽になる「カード利用」のコツを2つかきました。
キャッシュレス決済は非常に便利ですが、便利な支払い方法と、経理しやすい支払い方法は必ずしも同じではありません。
・カードで支払うなら、できるだけ決済サービスを経由しない
・カード明細に店舗名が表示される購入先を選ぶ
この2つは、どちらも特別な知識は必要ありません。
少し意識するだけで、会計ソフトの自動化や検索機能を活かしやすくなり、日々の経理作業を大きく効率化できます。
経理を楽にするコツは、会計ソフトの操作だけでなく、経理のしやすさも考えることです。