「レシートの整理が大変」「処理が追いつかない」といった経費の相談をうけることがあります。
ただ実際のところ、経費の処理負担は会計ソフトや知識だけで決まるものではありません。
むしろ大きく影響するのは、それ以前の「買い物の仕方」自体にあります。
今回は、経理を楽にするため買い物のコツを2つ紹介しています。
1.買い物の「回数」を減らす
1つ目は、買い物の回数を減らすことです。
日常的に「必要なものが出たらその都度買う」スタイルだと、
・1回の買い物
・1枚のレシート
・1件の経理処理
がそのまま積み上がっていきます。
つまり、買い物の回数がそのまま作業量になります。
そこで効果的なのが、買い物のタイミングを決めてしまうことです。
たとえば、6月に毎日1回買い物を続けた場合、レシートは30枚になります。
これを「週1回」にするだけで、レシートは4~5枚に減らせます。
これにより、
・経理処理の回数が減る(レシート30枚より5枚の方が早い)
・購入にかかる時間が減る(買い出し又は通販荷受けが週1回になる)
・他業務への集中力が上がる(買い物時間を本業に回せる)
といった効果が出ます。
さらに、まとめて買う前提になることで検討時間が生まれ、衝動買いの防止にもつながり、無駄な支出も減らせます。
また、アスクルやカウネットのような毎月まとめて請求がくるサービスを使えば、実際の買い物は分散していても経理処理は月1回に集約でき、さらに効率化できます。
2.買い物にプライベートを混ぜない
2つ目は、1回買い物にプライベートを混ぜないことです。
「ついでに買えば効率的」と思いがちですが、事業用とプライベートが混ざったレシートができると、一気に処理が複雑になります。
一見すると「レシートから経費だけ抜けばいいだけ」と思われるかもしれませんが、そう単純ではありません。
お店によって、消費税が各商品の価格に入っている(内税)か、合計してから消費税額を計算する(外税)か、もバラバラですし、最近はポイントやクーポンでの割引なども多いです。
・1枚のレシートに事業用と私用が混在(事業用のみ集計)
・商品ごとに個別割引がある(単純な引き算ですが忘れがち)
・全体割引(ポイント・クーポン)がかかる(各商品への割引の反映計算が必要)
・外税レシート(消費税の再計算が必要)
こうなると、「経費部分だけ抜く」作業でも単純な足し算や引き算ですまない計算が出てきます。
再計算が必要になり、想像以上に手間がかかります。
さらに重要なのは、ここで発生する処理時間が「ついでに買えば効率的」で得られたはずの時間短縮効果を、結果的に大きく上回ってしまうという点です。
つまり、現場感としては「まとめて買って効率化したつもりが、その後の経理処理でそれ以上の時間を消費している」という逆転現象が起きます。
また、この「経費だけを抜き出す」という作業自体にも大きな問題があります。
レシートには「何が業務で何が私用か」という情報は書かれていないため、AIでも自動判定することはできません。(ペンやマーカーでレシートに書いたとしても判読不能)
結果として、レシート情報の読み取りや自動化が得意な会計ソフトを使っていたとしても、その機能を活かせず、レシート1枚1枚を見ながら手作業で按分・手計算を行う必要があり、むしろ経理負担は大きくなります。
一方で、最初から事業用だけのレシートであれば、このような作業自体が不要になります。
ただ金額をそのまま処理するだけです。
つまり、「分けて買うかどうか」で、その後の処理工数が大きく変わります。
さらに、領収書と経理処理の関係が崩れることも問題です。
本来は「日付・金額・利用店舗」が1対1で対応していると非常に処理しやすく、
・会計ソフトの自動読み取りがそのまま使える
・入力でも迷いがない
・検索や紐づけが容易
という状態になります。
しかし内容が混ざると、この1対1の関係が崩れ、
・自動処理が効かない
・手入力でも確認作業が増える
・検索や紐づけの手間が発生する
といった無駄な手間が発生します。
結果として、事業用とプライベートは1回の買い物に混ぜないことが最も効率的になります。
おわりに
経理をシンプルにするため買い物のコツを2つかきました。
今回紹介した2つは、どちらも特別な知識は必要ありません。
・買い物の「回数」を減らす
・買い物の「内容」をシンプルにする
この2つを意識するだけで、経理の手間は大きく変わります。
経理を楽にするコツは、実はソフトやテクニックではなく、経理以前のところにもあります。
