個人事業主や小規模事業者の方の中には、エクセルで売上や経費管理だけでなく、帳簿付けをしている方を意外と多く見かけます。
エクセルは手軽に始められ、自由に作れる便利なツールです。
しかし、その自由度が高い反面、想定外のミスやトラブルにつながることもあります。
今回は、エクセルで経理管理を行う際に気を付けたいことについて解説します。
しくみが分からないエクセルを使うリスク
確定申告の相談では、エクセルをじぶんで作り上げたり、書籍の付録などをつかって、決算書まで作成し、それを転記してe-taxまで作って来た人を複数人見かけたことがあります。
内容確認のため質問すると、きちんと内容やしくみを把握して答えていて問題がない方も多かったです。
ただ、このようにエクセルをきちんと分かったうえで使う方ばかりではないのも現実です。
エクセルは自由に作れる反面、「なぜその数字になるのか」が分かりにくくなることがあります。
特に注意したいのが、自分で作っていないエクセルをそのまま使うケースです。
例えば、
・セルを移動したら計算式が壊れた
・行を追加したら集計がおかしくなった
・いつの間にか数字が合わなくなった
といったトラブルは珍しくありません。
わかっていれば自分で修正することができますが、理解していないと、問題が起きたときに原因の特定や修正ができない場合があります。
過去、エクセルで管理している表で一致しない部分があったので、原因確認や内容修正について尋ねたところ、「前の職場のひな形をそのまま使っただけだからわからない」と平然と言う人がいました。
本来の意図を理解しないまま使い続けることは修正できない問題も生じますが、それ以前に前の職場のエクセルを持ち出してそのまま使って平然としているのはコンプライアンス上も問題があります。
エクセルを使うのであれば、きちんと自分で作るか使用許可のある(公開されている)ひな形などを使ったうえ、そのエクセルのしくみを自分で説明できる状態にしておくことが大切です。
エクセルは「会計ソフトへ取り込むための補助資料」として活用する
エクセルは便利なツールですが、経理管理をすべてエクセルだけで行うことはおすすめできません。
また、エクセルへ入力した内容を改めて会計ソフトへ手入力する方法もは、入力作業が二重になってしまうためおすすめできません。
入力回数が増えれば、その分だけ転記ミスや入力漏れのリスクも高くなります。
一度入力したデータをそのまま会計ソフトへ取り込める「インポート機能」の活用がおすすめです。
多くの会計ソフトではエクセルインポート機能があと、取り込むためのひな形のエクセルが公開されています。
これを活用することで、入力は1回で済み、作業時間の削減とミスの防止につながります。
その際は、入力用のシートとは別に、会計ソフトへ取り込むためのシートを用意しておくと便利です。
入力した内容を自動的に取り込み用データへ変換できるようにしておけば、入力のしやすさを維持しながら、会計データは会計ソフト側で管理できます。
実際に当事務所でも、お客様ごとの取引内容に応じた入力用エクセルを作成し、ご利用いただくことがあります。
例えば、お客様は売上の情報を入力するだけで、月末には1か月分のfreeeへインポートできる形式の売上データが自動で作成されるようになっています。
これにより、入力のしやすさと経理処理の正確性・効率性を高めています。
ただし、freeeは、エクセルを使わなくても、銀行口座やクレジットカードとの自動連携が
できるため、これをメインにすることでエクセル入力すらしないことが多いです。
エクセルはあくまで連携できない場合の補助として使っています。
おわりに
エクセルで経理管理を行う際に気を付けたいことについてかきました。
エクセルは非常に便利なツールですが、万能ではありません。
しくみを理解していないファイルの利用や、複雑すぎる内容は、ミスやトラブルの原因になります。
まずは「自分で説明できるシンプルな管理」を心掛け、そのうえで会計ソフトにインポートできる補助ツールとして使うのがいいかと思います。
