個人事業主の方から、
「車は何%くらい経費にできますか?」
「仕事で使っているので100%経費で大丈夫ですか?」
という質問を受けることがあります。
車は仕事でもプライベートでも利用しやすいため、家事按分で悩みやすい支出の一つです。
今回は、車の家事按分で気を付けたいことについてかいています。
「仕事でも使う」と「100%事業用」は違う
車について相談を受けると、「仕事で使っています。」という回答はよくあります。
しかし、詳しくお話を伺うと、
・休日は遠方へドライブに出掛けている
・買い物にも利用している
・仕事帰りに私用を済ませることがある
というケースは珍しくありません。
また、「100%事業用」言っていたにもかかわらず、後日経費関係のレシートを確認すると、経費と一緒にプライベートの買い物もしていたケースもあります。
仕事で車を使っていたことは紛れもない事実でしょう。
しかし、このようにプライベートでも使用した実態があるにもかかわらず、「100%事業用です」というのは明らかに説明がつきません。
配送用トラックや工具・資材を積んだ作業車など、明らかに事業専用といえる車ならまだしも、普通乗用車が1台だけという場合は、「100%事業用」と説明できるケースは多くないでしょう。
普通乗用車で仕事帰りにプライベートでコンビニなどへ立ち寄ったり、休日に家族で出掛けたりすることが一度もないと言い切れるでしょうか。
「仕事でも使う」ということと、「事業でしか使わない」ということは別の話です。
実際には仕事で使用することがほとんどであっても、あえて100%を主張しないという考え方もあります。
例えば、立ち寄りや私用利用の可能性が完全にゼロとは言えないのであれば、100%事業用にして後から指摘されるよりは、最初から事業用割合を90%程度に抑えて家事按分した方が、利用実態に近く、後から説明しやすいケースもあります。
もちろん、90%という数字が正しいという意味ではありません。
大切なのは、本当に100%と言い切れるかどうかを一度立ち止まって考え、実態に合った処理を行うことです。
家事按分以外の経費処理方法が良いケースもある
車については、家事按分だけが方法ではありません。
・普段は在宅で仕事をしている
・車を使うのは年に数回のセミナー参加や取引先への訪問だけ
という場合であれば、毎月家事按分をすることが実態に合っているといえず、按分してもその割合は相当低いものになってしまいます。
こういった場合、按分は行わず、その都度、仕事で使用した分だけを経費として計上した方が、管理・説明しやすいです。
高速道路料金や駐車場代については、仕事で使用した分をそのまま経費として計上できます。
ガソリン代については、具体的に仕事で使用した分の推計は次の3つを使って行っています。
①グーグルマップで事業使用の走行距離kmを確認する
グーグルマップで出発地と目的地を入力後、自動車のアイコンを選択します。
複数のルートが出てきますので、使用するルートを選択し、距離を確認します。
出発地と目的地と距離とルートの画面はPDF出力などで保存しておくといいでしょう。
②車の1Lあたりの走行距離(燃費(km/L))を確認する
使用した車のカタログがない場合、車種で検索すればメーカーの公式サイトで燃費が掲載されています。
③ガソリン公示価格の資料で1L当たりのガソリン代を確認する
経済産業省資源エネルギー庁が給油所小売価格調査を都道府県別に毎週調査・公開しています。
公開ページはこちらです。(リンク先:資源エネルギー庁「石油製品価格調査 調査の結果」)
過去の調査結果がエクセルでダウンロードできるため、そこからガソリン種類、都道府県や利用時に近いガソリン価格を確認します。
車の利用が複数回にわたる場合は都度確認が大変のため、期首時点の価格や初回利用時の価格を1年間使うなど簡便的に対応します。
③ ÷ ② で、1kmあたりのガソリン代を出せるので、あとは①の距離をかけあわせて、ガソリン代の推計ができます。
( ③ ÷ ② ) × ① = 走行距離に応じたガソリン代
車での通勤者が多い一般企業でもこんな感じで一律にガソリン代の通勤手当計算していますし、わたし自身この計算で交通費を精算した確定申告などの経験がありますが、税務署から否定されたことはありません。
このように、利用状況によっては、仕事で使用した分だけを個別に計算した方が、実態に合った処理になり、説明もしやすくなります。
家事按分の割合の考え方については、こちらの記事で紹介しています。

おわりに
今回は、車の家事按分で気を付けたいことについてかきました。
車は仕事でもプライベートでも利用しやすいため、「100%事業用」と説明できるケースはそれほど多くありません。
また、家事按分だけでなく、仕事で使用した分だけを個別に経費計上した方が合理的な場合もあります。
大切なのは、「何%まで経費にできるか」を考えることではなく、自分の利用状況に合った方法を選び、その内容を説明できる状態にしておくことです。