税理士試験の勉強を続けることができた2つの要因

税理士試験

税理士試験は、短期合格でも2年、長ければ10年以上かかる試験のため、受験勉強を続ける環境が大切になります。

わたしは、税理士試験ではTACに6年半通学していました。
これは、小学校や中高一貫校の6年より長く、一番長く籍を置いていたことになります。

これまで学校と合わなかったわたしですが、TACは普通に嫌な思いをせずに通うことができました。
(厳密には、TACは株式会社のため学校ではないのですが、受験予備校で毎日通う点では学校のようなものと考えています)

今回は、長く受験勉強を続けられた2つの要因について書いています。

講師が怒らなかったこと

一番大きかったのは、講師が怒らない・叱らないということでした。

わたしは、ものを覚えたりコツを掴むのが遅いため、どの科目も講師にいろいろと質問をしていました。

どの講師も、質問に対して丁寧に教えてくれたり、「理論が全然覚えられない」と講師に相談すると、覚え方や記憶の維持の仕方についてアドバイスを受けました。

複数科目受験や仕事との両立で勉強時間の確保が難しい状況でも、決して「これだと受からない」と否定せずに「限られた状況下で結果を出す方法」を色々考えてもらいました。

また、最初の講師の授業は自分には合わず、別の教室に行くようになりました。
自分と合わない先生であっても、学生時代のように頭ごなしに怒られることはありませんでした。

特に消費税法については、4回目での合格で、3年間同じ講師の授業を受けています。
普段の成績は良かったものの本試験では不合格続きでした。

結果が出せないでいる状況でも、講師は怒らずに「どうすれば合格できるか」を親身になってアドバイスしていただきました。

普通ならTACの講師なのに「アウェーの感覚に慣れるため、大原の模試を一度を受けてみては」とアドバイスしないと思います。

それでも、他校を一度勧めるのは、本気でわたしのことを考えてくれているからだと思いました。
(現実にはTACと大原掛け持ちがいたり、両方お互いに乗り換える受験生が多いのかもしれません)

大原の講師もふだんTACだけど一度模試を受けに来た、と正直に言っても嫌な顔せずに質問に答えてくれましたので、大原のほかの先生も親切だと思います。

予備校から見たら、わたしがお客さまでお金を払っているのもあり、講師も合格者という結果を出さないといけない、という利害の一致があるからかもしれません。

それでも、同じようにお金を出して行ったはずの学校では、教師の否定的な言動で嫌な思いをいっぱいしてきたことと比べると、講師が親切だったことは、すごく大きかったです。

自習室で自分だけに集中できること

税理士試験の勉強時間の大半は、授業を受けていない時間、つまり自分で勉強する自習時間です。
どんなにいい教材や授業に出会ったとしても、合格できるかどうかは自分の時間の使い方次第になります。

わたしは、授業以外の空いた時間は、TACの自習室で勉強していました。
受験仲間を敢えて作らず、ひとりで勉強していたため、勉強内容や時間配分など、完全に自分のペースで進めることができます。

いわゆる「ホテルに缶詰め」に近い状態を自習室という日常環境のなかに作り出していました。

家や職場で嫌なことがあったとしても、自習室に入れば完全に遮断できます。
家や職場と違って他の邪魔が入らず、完全に自分だけの世界を作ることができます。

やることは、前回の授業の復習や、演習の予告理論の暗記、過去の論点の解きなおしや維持、とシンプルです。

あとは自分の状況や時間に合わせて計画を立て、誰にも邪魔されない自分だけの世界の中で、淡々と勉強するだけになります。

共通点は、自分を否定しない状況を維持できたこと

怒らない講師と自分に集中できる自習室の共通点は、「自分を否定しない環境」だったことが大きいかなと思います。

わたしが最初に税理士試験について聞きたくて連絡を取った人は「いかに税理士試験が厳しいか」と否定的なことばかり言っていました。

会計事務所勤務時代も、何年たっても1科目も受からない人から嫌味・嫉妬を受けたことがありました。
大学までの学校では、教師などからの否定的な言動で嫌な思いをしてきました。

そのため、否定的にならずに前向きに合格のことを考えてくれる講師は、わたしにとっては大きな支えになりました。

自習室にこもってひたすら教材などを読み問題を解くことで、そういう否定的なノイズから離れられたのも大きいです。

短期で合格するためにも、長期で少しずつ合格に近づくにも、一番大事なのは自分が税理士になるという確固とした意志だと思います。

その意思を維持して受験勉強を続けるための「自分を否定しない環境」を整えることが重要になります。

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