RFタグを見て考えたこと

雑感・雑記

先日、本を買ったところ、下の写真のような紙が入っていました。

「商品管理用にRFタグを使用しています」と書いてあります。
写真は表面で、コード番号とQRコードが書かれていました(掲載のため削除しています)

この紙を裏から透かして見ると、バーコードやQRコードとも違った黒の模様が印刷されていました。
どうやら、この模様がRFタグのようです。

今回は、このRFタグを見て考えたことを書いています。

RFタグとは

RF(Radio Frequency)タグとは、無線周波数を利用してデータを認識するためのタグのことを言います。
個々の商品の管理として、昔からバーコードがあります。
バーコードとの違いは、離れていても・見えなくても読み取れる、複数のタグをまとめて読み取れる、書き換えもできる、1個1個の同じ商品を区別できるといった点にあります。

国としては、これを活用して、物流の無駄をなくしていきたいという意図があり、コンビニやドラッグストア等で導入を進めています。

https://www.meti.go.jp/press/2021/01/20220111004/20220111004.html

本については、丸紅と集英社・講談社・小学館が共同出資した会社が、コミックスにRFタグの挿入を開始したということでした。
本の売上管理・在庫管理に使って、本の流通や管理を効率化するためのようです。

8月からコミックスなどへのRFIDタグ挿入開始 大手出版社3社とPubteXが書店に通知 - The Bunka News デジタル
株式会社講談社、株式会社集英社、株式会社小学館、株式会社PubteXはこのほど、8月からコミックスなどへのRFIDタグの挿入を開始することを書店に通知した。    講談社は8月以降に発売す…続き

今回購入したのは他社の本ですが、上記の流れでRFタグが入っていたのかなと思います。
上記サイトの記事を読んで初めて知りました。

従来だと、本のしおりのような売上カードが入っていて、レジで書店の人が回収するしくみだったので、時代の変化を感じました。

RFタグは固定資産管理に使えそう

今回、このRFタグを見て思ったことは、会計でも使えそうということです。
小売りや書店といった、多くの商品の管理をタグ1つでできるのであれば、会社内の固定資産の管理は、これを使えば楽にできるのではないか、と思います。

昨今の効率化や手間を減らす考え方の中心にあることは、できる限りアナログ作業をデジタル作業に置き換えていくことだと思います。

たとえば、会社の経費精算や支払では、現金を使わないこと。
クレジットカード決済や銀行口座からの支払いなどを利用することで、カード明細や銀行口座の情報を会計ソフトに連動して、自動で経理を行うことができます。

また、どうしても現金を扱うお店のレジであっても、レジの売り上げを売上管理システムと連動することで、会計ソフトとの連動や売上情報の把握を早く行えます。

わたしが一番アナログ管理で大変だと思うのは、固定資産の管理でした。

流れとしては、次のようになります。

1月の償却資産税の申告や3月決算の時期に、固定資産台帳をもとに経理担当がリスト作成します。
そのリストを見て、現場担当者が1つ1つ固定資産を見てきちんとあるか、ない場合はいつ移動売却廃棄(除却)したかを必死になって思い出し、リストの情報に誤りがあれば修正します。
そして、経理担当は、現場担当者から返送されたリストの内容を固定資産台帳に反映させます。

言葉で書くと固定資産を見て確認するだけで難しくなさそうに見えます。
実際には、経理担当は現場のことがわからない、現場担当は経理のことはわからない、ということで大変でした。

固定資産については、建物、機械装置、備品といった比較的わかりやすいものだけではありません。
少額減価償却資産、一括償却資産といった会計を知らないときいたことのないものもあります。

たとえば、固定資産は、基本的には固定資産税の対象になります。
ただし、一括償却資産は、10万円以上20万円未満の固定資産として、固定資産税の対象になりません。

現場で15万円のパソコンを買った場合に、経理担当は一括償却資産として処理をします。
一括償却資産は、備品とは別扱いになります。
そのため、備品の固定資産リストには、この15万円のパソコンは登録しません。

経理担当が作成した固定資産リストを見ると、当然15万円のパソコンがありません。
買ったはずのパソコンがリストにないことで、現場は混乱します。

また、担当者の記憶があいまいで、1月に確認した時には「廃棄済み」と現場担当者から聞いていた固定資産が、3月決算の確認では「実はあった」ということもあります。

この手の行き違いは、書き出すとたくさんありました。
結局は、現場担当者の目視と記憶や理解など、人の主観での確認で手間と不正確な状態になっていることが問題でした。

解決方法としては、購入時に固定資産リストの番号と名前と稼働時期などを手書きしたラベルで貼り、それを決算などで確認してもらう、というのは多くの会社でやっているかと思います。

大がかりなものだと、バーコードやQRコードを固定資産に貼って、装置で読み取って会計ソフトと連動する、というものもあるかもしれません。

これをさらに進めると、RFコードを使うことで、読み取り装置にコードを1つ1つかざさなくても、装置周辺のRFコードの情報をまとめて読み取ることができます。

購入時はRFタグをつける、決算時は読み取り装置を起動するだけで固定資産の実地確認や移動の処理も自動化できるのではないかと思いました。

ざっくり検索したところ、大企業向けに、RFコードを活用した固定資産管理システムはいくつかあるようでした。

このシステムが小規模でも低コストで行えるようになって普及すれば、小さな会社でも、会計ソフトとRFコードの連動で固定資産管理の手作業が減って楽になるのではないか、と思いました。

たとえば、クラウド会計ソフトだと領収証をスマホアプリで撮影するだけで、経理を自動化できる機能があります。
同じように、RFコードを読み取る装置を使うだけで、クラウド会計ソフトで固定資産管理や減価償却まで自動で行える日も遠くないように思えます。

おわりに

今回は、RFコードの話から、固定資産管理もこれを活用できないかと思ったことについて書きました。

タグ付けと読み取りが万能すぎて、モノを買う側としてはプライバシー保護が若干気になります。

ただ、アナログな商品をシステムで管理する点では、一般化すればスモールビジネスでもRFタグを固定資産につけることで、クラウド会計との連動で固定資産管理を効率化することは、夢ではないかなと思います。

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