捨てる、というとマイナスの印象を受けますが、捨てた代わりに見えるものもあります。
今回は、わたしの経験の中で、捨てたことで見えたものを2つ紹介したいと思います。
捨てるとほかのことに集中できる
税理士試験の場合、基本的に2時間で解ききれない量の問題が出ることも多いため、確実に解けるところから解いていかないと合格できません。
そのため、必然的に捨てることが必要になります。
また、試験範囲そのものが広い科目は、出題頻度が低い論点を捨てる場合があります。
捨てる代わりに、ほかの論点の精度を上げることができます。
わたしは、住民税で法人住民税の論点を捨てたため、受験負担の軽い住民税のなかでもさらに負担を軽くして受験しました。
先入観なしで物事を見る・考えることができる
過去に勤務した職場でのことです。
自分が入職したときには、前任の方がすでに退職をしていました。
ほかにその業務についてわかる人がいない、という状態です。
さらに、残っている資料も、前任の方が退職後にすべて捨てられていました。
その職場の上の人は、次のように考えていました。
「新しいお客さんとってきたら、自分ですべて確認しないといけない。過去の資料の鵜呑みではなく、きちんと自分で確認が必要だから」
組織として引継ぎがない、業務の蓄積がのこっていないのはどうかと思います。
ただ、先入観のない、まっさらな状態でお客さんのことを見たり学んだりできたのはよかったかなと思いました。
会計処理の場合、過去の間違った処理を引き継いで間違い続けている、ということもあります。
それを直そうとすると「ずっとやってきたことだから」と拒否されたこともあります。
何もない状態だと、きちんと1つ1つ根拠規定などを確認していく必要があるため、規定に沿った適切な処理ができるのはメリットかなと思いました。
新しい顧問先や、毎年の確定申告の場合は、基本的に何もない状態からスタートです。
きちんと自分ですべて確認する、というのは、上記の出来事で勉強させてもらったなと思いました。
まとめ
捨てることは、一見何かを失っているだけにみえるかもしれません。
しかし、失う代わりに、ほかのことに集中できたり、新しく物事を考えることができます。