税理士試験では、税法理論の暗記は重要な要素です。
しかし、具体的な暗記方法を授業では教えてくれることは、ほとんどありませんでした。
本当に困っているのに「繰り返し覚える」とかありきたりな回答しかなく、どう覚えるかをきちんと教えてもらったことがありませんでした。
そのため、自分でいろいろ悩みながら、自分に合った暗記方法を探っていくことになります。
今回は、税法理論の暗記について、1問を覚えるためにやったことを書いています。
全般的な暗記方法については、下記も参照ください。
暗記の計画を立てる
基本的には、予備校で指示されたスケジュールに沿って覚えていきます。
次のテストで出ると予告された理論を、そのテストに間に合うように覚えていく感じです。
慣れれば1日1問暗記なども可能ですが、最初は1週間に1問暗記でもきつかったです。
たとえば、初日は内容の把握、2日目から1項目ずつ覚える、という感じで決めていきます。
さらに、覚えるときには、少しずつ、「5分でこの文章を覚える」などと決めていきます。
漠然と眺めて暗記、ではいつまで経っても覚えられません。
少しずつ区切って締め切りを作って覚えていくことが重要になります。
暗記のための準備をする
税法の理論は、字面だけでは抽象的な表現が多いため、まっさらな状態の理論をみて一言一句暗記することは難しいかと思います。
わたしは、国語の授業で、百人一首の暗記があったのですが、31文字だけなのに、暗記に苦労しました。
これは、当時にその31文字の内容や構造を教えてもらっていないのに、暗記するように言われたことが大きいかと思います。
暗記のためには、2つの準備が必要になります。
1つは内容の理解です。
暗記する前に、その理論が何を言っているのか、を理解することが重要です。
まったく内容のわからない文章と、内容のわかる文章では、内容のわかる文章のほうが覚えやすいです。
内容の理解のためには、税法理論のタイトルやサブタイトルをまず把握します。
タイトルやサブタイトルは、内容の要点を端的に箇条書きしているため、それをみることで、なんとなくでも、理論のストーリーが見えてきます。
もし、見えなくても、サブタイトルが4つあれば、4つの内容に分かれていることくらいはわかると思います。
文章の解説は、基本的に授業でされているはずです。
暗記する理論教材に授業の内容を書き込む、マーカーを引くなどします。
内容の理解のためには、できるだけ具体化して把握するようにします。
たとえば、所得税や相続税であれば、自分や家族に置き換えて想像してみると理解が早いです。
そして、その理論を読めば内容はわかる、という状態にしておきます。
もう1つは、構造の理解です。
学生時代に、英語を学んだ際には、「if 〇〇, then ××」などの構文を学んだことがあるかと思います。
それと同じように、税法理論には、独特の構文があります。
「○○の場合において△△のときは」「〇〇で××のもの」「△及び□」などです。
それを見つけたら、印をつける、区切り線を入れる、などします。
これをすることで、「場合において」が出てきたら「のときは」がある、など内容の理解や暗記の手助けになります。
暗記と同時に確認もする
内容が理解できたら暗記に入ります。
最初から1問の頭から覚えなくてもいいです。
たとえば、サブタイトルだけ先に覚える、よく見るキーワードだけ覚える、文章量の少ない項目から覚える、など、自分に暗記の負荷が少ないところからやっていきます。
文章の覚え方については、構文や文節ごとに細かく区切って覚えます。
チェックペンで見て隠すを繰り返す、ひたすら書く、読む、など色々な方法があります。
このとき重要なのが、覚えることと確認することを何度も繰り返すことです。
計算問題でも、解き方を覚えたり答えが合うまで何度も繰り返していると思います。
一度見たからと言って覚えているとは限りません。
覚えた内容を何度も思い出す、覚えなおす、を繰り返すことで記憶は定着します。
同じことを理論でやっている、と思えば暗記の苦痛は和らぐかと思います。
たとえば、文章のパートがABCと3つあった場合は、次のような感じです。
1.Aを暗記して、確認する
2.Bを暗記して、確認する
3.Cを暗記して、確認する
4.ABCを全部確認する
このとき、4.で全部確認した際にはすでにAのことを覚えていない、ということもよくあります。
そのときは、またAを覚えなおして確認して、再度全部を確認します。
Cを覚えているときにAを忘れていることが特に不安であれば、次のような感じで確認していました。
1.Aを暗記して、確認する
2.Bを暗記して、確認する
3.ABを確認する
4.Cを暗記して、確認する
5.ABCを全部確認する
正直言うと、これでも忘れてしまうことが多かったです。
特に、最初のうちは暗記にも時間がかかるうえ結果が出ないため、精神的に自分を責めやすくなりました。
最後に1問全部確認するときは、必ず何も見ずに書くようにします。
こうすることで、覚え間違った部分や覚えていない部分、ペンが止まった・迷った部分がわかるため、再度暗記して理論の精度を上げることができます。
また、全部書くことで、かかった時間の把握ができます。
書く時間を普段から把握しておくことで、本試験でも理論にかかる時間の把握ができます。
最初は書くのに時間がかかっても、暗記に慣れてくることで、自然と早く正確に書けるようになります。
まとめ
税法理論を1問覚えるためには、計画を立て、内容と構造を把握してから、確認しつつ暗記することが重要です。
また、暗記ができない自分を責めないことも重要だと思います。
特に理論暗記は、その日の精神状態に左右されることもあり、悩みなどがあるとそちらに意識が行って集中できないことがあります。
そのため、予定どおりにいかなくても、ある程度は仕方ないと割り切りましょう。