税理士試験では、税法を暗記して書いていく理論の問題が半分程度を占めます。
対策としては、税法の要点をまとめた予備校の理論教材を暗記し、試験ではその暗記した内容を書いていきます。
しかし、税法の理論暗記は一言一句レベルで文章を覚える必要があるため、慣れないうちは覚えるのに時間がかかります。
そのため、税法理論の暗記は多くの受験生が苦しむこととなります。
暗記方法は人によって様々です。
わたしは、「聞く」「見る」「書く」「読む」の4つに大別されるかなと思います。
今回は、その4つの暗記方法について書いています。
見る
理論を見て覚えることです。
しかし、理論教材そのまま見るだけでは、暗記はできません。
まずは、暗記のための情報の整理が必要になります。
授業での板書や理論の内容の書き込み、マーカーでの色分け、記号での書き込みなど、暗記の手助けとなる情報を把握し、理解しつつ見て覚えていきます。
場合によっては、計算問題を解いて「この解き方を文章にしているのか」と、理論と計算をリンクさせることも重要です。
最近だとマインドマップやアプリで覚える前の情報整理ということもできると思います。
わたしは、覚えられない部分があるときは、赤のボールペンで別の紙に覚えづらいフレーズを書き出していました。
緑のチェックペンや赤のボールペンと赤い半透明の下敷きで隠して確認することを繰り返して覚えていきました。
書く
理論を手で書いて覚えることです。
古典的な方法ですが、何度も書いて、手で覚えさせます。
スポーツでいう「素振り」に近いでしょうか。
効率性は落ちますが、手を動かしている分、見るだけよりも確実に覚えられます。
ただ、昔の小学校の漢字の書き取りのような、漫然と回数を書く方法では覚えられません。
回数よりも、書きながら覚えることを意識するようにします。
最初はすべて手で書かないと覚えられない、手で書いても覚えられない、ということが多かったです。
慣れてくると、手で書かないと覚えられない部分が減って、見てどうしても覚えられないところだけ書いて覚える、という感じになっていきます。
わたしは、本試験で書くことを意識して、テストなどで余った理論の答案用紙のコピーに繰り返し書いていました。
今だとタイピングやスマホ入力で覚える人もいるのかもしれません。
聞く
理論を聞いて覚えることです。
TACは、一部の科目では、理論教材をプロのナレーターが読み上げた音声教材があります。
わたしは、消費税法と所得税法は、音声教材のCDをipodに取り込んで聞いていました。
覚えるつもりはないけど、CMや広告トラックなどの歌、駅のアナウンスなどが頭から離れない、という経験はないでしょうか。
これと同じように、覚えたい理論を繰り返し聞くことで、リズムをつけて覚えやすくなります。
また、CDのなかった住民税については、自分で読み上げて録音したものを聞いていました。
自分の声を聴くのは恥ずかしいですが、自分や読みづらいと思った箇所は注意して聞くようになります。
最近だと音声読み上げソフトの使用、倍速編集という手段もあります。
わたしは、聞くだけで全部覚えることは無理でしたが、移動中になんとなく聞くだけでも少しは耳に残る、余計な雑音を頭に入れない防御としても使えました。
読む
理論を声に出して覚えることです。
書くのと同様、自分で何度も口を動かして音をつけて覚えます。
読むことで、自分の音が直接聞こえるので、聞くことも兼ねています。
書くより速くできる、自分のペースで聞けるというメリットがあります。
ただ、普通に何度も読むだけでは、できる環境が限られます。
自宅であっても、家族や近隣から苦情がくるかもしれません。
わたしは、耳栓と厚手のタオルを使って、ささやき声で読んでいました。
耳栓をつけることで、自分の声を頭に響かせることができます。
厚手のタオルで口をふさぐことで、周囲への音漏れを防ぐことができます。
ささやき声であれば、小さい音量になります。
わたしは、この方法を使うことで、予備校の自習室でも読んで暗記ができました。
まとめ
税法理論の暗記方法は「聞く」「見る」「書く」「読む」の4つに大別されます。
どれか1つだけを使うというよりは、状況や自分のやりやすさにあわせて使い分けることで、理論暗記で困っている方が少しでも楽になれたらと思います。