税理士試験で同じ理論教材を2つ持つメリット

税理士試験

税理士試験で一番大変なことは、理論の暗記です。

理論の問題では、与えられた問題に対して根拠となる税法の規定を書いていきます。
そのため、税法を正確に暗記することが重要になります。
実際の受験勉強では、必要な税法をまとめた各予備校の理論教材(TACの理論マスター、大原の理論サブノートなど)を暗記していきます。

わたしは、TACの理論マスターを2つ持っていました。
1つは、授業での解説を書き込んだり、マーカーで内容を色分けしたりする理解用です。
もう1つは、暗記とその確認をするための暗記用です。
(暗記用は、科目によって2冊目買い直し、コピーどちらもやっていました)

今回は、わたしが税理士試験の受験で行っていた、TACの理論マスターを2冊使った理論の暗記方法について書いています。

理解用としての使い方

基本的に、理論マスターの内容についても、計算やメインのテキストの解説と合わせて授業で解説がされます。
そのため、講師の解説や板書など、理論に必要な情報を書き込んでいきます。
また、授業中にキーワードなどにマーカーを引く指示があれば、あわせてマーカーを引いたりします。

あとは、授業後の復習で、テキストの内容を書き込む、自分で読んで気になったところにマーカーを引く、文章で分かりづらいところに計算式を書き足す、など、内容を理解できるようにしておきます。

このとき、マーカーは暗記用のチェックペンではなく、普通の蛍光ペンを使います。
使う色は、自分であらかじめ決めておきます。

・よく出てくるキーワード、重要語句はオレンジ
・「~は除く」のような除外は水色

このように、色で意味づけをしておくと、色で内容を確認しやすくなります。

理論暗記というと、一言一句正確に覚える必要があることから、丸暗記のイメージが強いかもしれません。
しかし、実際には何のストーリーもない、意味のない内容を覚えることは難しいです。
法律なので何もないように思えるかもしれませんが、税法には「こういう場合に税金を払う」のような何かしらのストーリーがあります。

そのため、覚える前にまず、何が書いてあるかを理解することが必要になります。

たとえば、消費税法の第4条5項に、みなし譲渡というものがあります。
第1号で個人事業者の場合は下記のように書いています。

個人事業者が棚卸資産又は棚卸資産以外の資産で事業の用に供していたものを家事のために消費し、又は使用した場合における当該消費又は使用

これは、実際には譲渡していないけれども、譲渡したのと同じように扱って消費税の課税の対象にするというものです。
「八百屋さんが売り物の野菜を晩御飯で食べた」というのは、上記の規定の具体例ですが、余白にそれを書いておきます。

何もわからない状態で暗記するより、内容を理解した状態で暗記する方が、効率よく暗記することができます。

暗記用としての使い方

理解した内容を暗記するために使います。

税法の文章は、長いうえにどこが内容の区切りなのかわからないため、理解用の書き込みとは別に、暗記用の書き込みが個人的には必要でした。

税法は「又は」「○○で××もの」などのように決まった言い回しがあるため、そこに記号をつけていました。
また、「課税資産の譲渡等」のように同じ内容の繰り返しのフレーズがあれば、そこに同じ記号を付けるといったことをしていました。

このままでも覚えられるかもしれませんが、わたしには無理でした。
そこで、覚えるために、文章に区切り線や記号を入れていきます。

あとは、緑のチェックペンと赤の色付き下敷きで隠しつつ覚えていきます。

ただ、この文章のままだとまだ長くて覚えられないと感じる時があります。
そういうときは、さらに文章を区切るため、別の紙に次のように書いています。

人によっては、ここまで区切ると逆にわかりづらいと思うかもしれません。
慣れてきたら区切る範囲を減らすことができます。
書き出すことで自分で覚えやすい分量ごとに区切って覚えることができます。
この分量だと、1段目から覚える内容が少ないので心理的な負担が下がるかと思います。
赤ペンと赤下敷きで隠しながら覚えるようにしていました。

赤下敷きを使うことで、記号など残した状態で思い出す練習をすることで、何もない状態から思い出すよりは、記号をきっかけに思い出しやすいようにしていました。

最終的には、何もない状態から思い出せるようにする必要があるので、慣れたら隠すものを赤下敷きではなく、本など完全に隠せるものにしたり、何も見ずに思い出すようにする…というようにハードルを少しずつ上げていきます。

暗記も計算と同じように答え合わせをする

計算問題の場合、問題を解いたら解答を見て答え合わせをします。
そして、間違っている箇所があれば、それを記録し、修正して、できるように解きなおすかと思います。

理論の場合も、計算と同じように答え合わせが必要です。
なんとなく暗唱して、理論マスターを開いてなんとなくOKという感じで流していないでしょうか。

最初から、なんとなくで流していくと、記憶が薄れて忘れてしまいます。

そのため、暗記用の理論マスターに、記憶のあいまいなところ、間違った箇所に鉛筆で(消せるもので)印をつけていきます。
一度間違ったとこは点を打つ、二度目は点を大きくする、三度目は囲む…といったように、計算と同じく、間違えたところが残るようにしておきます。
こうすることで、ここは次は気を付けようと印象に残りやすくなります。
不安になったら、間違えたところを覚えなおすようにします。

次に確認したときにきちんと覚えていたら、つけた印を消します。

このように、理論についても、答え合わせで跡が残る確認を行うようにします。

まとめ

  • 理論教材は理解用と暗記用を持つ
  • 暗記の確認は、暗記用教材に跡を残す
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