ほんの少しでも経理をデジタルにしてみる

PC/IT

世の中全体がデジタル化が急速に進み、税務や経理の業務でもデジタル化が前提で物事が進められています。

また、紙の預金通帳がなくなる、郵便料金が値段が上がるなど、従来は普通にあったアナログ環境の維持もしだいに難しくなっています。

今回は、今でも完全なアナログ環境での経理を希望する方と話して感じたこと、ほんの少しでも経理をデジタルにしてみることについて書いています。

完全アナログの経理は難しい

先日、税理士を探している方の話がありました。
ご自身の近所でない場所で税理士を探していることでした。

これだけであれば、ネットでご自身に合う税理士を探して依頼すればいいのではないかと思いました。

しかし、その方は「パソコンは使っておらず、今後も使いたくない。ずっと紙でやりたい」と完全アナログ対応を希望されていました。

今はネットで調べれば、税理士事務所に関する情報はたくさんあります。
また、パソコンなどがあれば、ふだんの経理作業だけでなく、相談・経理の確認・資料の受け渡しといった税理士とのやりとりをオンラインで完結できるため、遠方でも問題なく行えます。

遠方で完全アナログ希望…となると、資料の受け渡しや経理の確認といったお客さまと税理士とのやりとりに多くの無理が生じます。
直接会いにいくための交通費・資料の郵送代・電話代といったお金だけでなく、それらに対する時間が負担になります。

パソコンを使いたいけど使えないのであれば、わたしが使い方を教えるなどお手伝いできます。
しかし、ご自身が使う気がないという以上、こちらではお手伝いできることはないため、お断りさせていただきました。

わたしは、所長がパソコン全く使わない会計事務所に在籍したことがあります。
お客さまとの連絡は電話かFAX、資料の受け渡しは郵送が基本、というアナログ主体の環境でした。
それでも、税務・会計ソフトは使用しており、事務所のスタッフやお客さまは会計ソフトで経理するなど、完全アナログ環境ではありませんでした。
10年以上前の話ですが、所長がパソコンを使わない会計事務所でもこのような状態です。

また、確定申告相談で手書きの申告書を持参される方に時々会います。
住宅ローンや医療費など確定申告という年一回限りの方です。

常に事業(不動産所得や事業所得など)をされている方で、会計帳簿をすべて手書きというのは見たことがありません。

そのため、今の時代に経理の完全アナログを希望することは難しいかなと思います。

ちょっとでも経理をデジタルにするために

デジタル化された経理というと、プログラムを書いたりAIを使って様々なソフトやデータを連動させて自動的に処理をする、というイメージになるかと思います。

それができるのが理想かもしれませんが、現実には日々ちょっとだけデジタルにすることを繰り返すだけでも十分かなと思います。

たとえば、パソコンを全く使わないところから、時々電源を入れてみる。
何でもいいから入っているソフトを起動したり、ネットを見たりしてみる。
メモ帳でもワードでも、何か文字を入力してみる。

それができたら、今度はエクセルで紙の表を見ながら入力してみる。
慣れてきたら、イメージをそのままエクセルに入力して表を作ってみる。

最低限、エクセルの表があれば、いまの会計ソフトはエクセルの内容を取り込むことができます。
また、エクセルでデータにしたものがあれば、直接取り込めなくても取り込めるように編集することができます。

そこから会計ソフトへの取り込みなどの操作…というように、時間をかけてちょっとずつやってみることで、気づいたら経理のデジタル化ができていた、という感じになります。

ところで、パソコンが苦手であれば、スマホをがんばってみる、というのもいいかもしれません。

freeeなど今の会計ソフトではエクセルを使わなくても、領収証を撮影する・銀行口座を連動させることで自動で経理できるため、パソコンを使わずにスマホで経理をすることができます。

また、確定申告も国が用意したソフトで、スマホでできるようになっています。

パドコンでもスマホでも、少しずつデジタル化に慣れていくと、そのうち「もうちょっと便利にしたい」と思って経理以外の事務処理なども自然とデジタル化できていきます。

おわりに

今回は、ほんの少しでも経理をデジタルにしてみることについて書きました。

パソコンやスマホが普及していない時代であれば、完全アナログでも大丈夫だったかもしれません。

しかし、今の時代はパソコンやスマホでのやりとりが普通になっており、税理士や経理業務も完全にアナログを維持するのは無理になっています。

完全アナログ希望の人がこの記事を読む可能性はないかもしれませんが、少しでもデジタル化に向いてもらえたら…と思います。

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