固定資産ほどではないけど、備品や消耗品もチェックが必要

税金

事業に関係するモノの管理といえば、真っ先に固定資産の管理が思い浮かぶでしょうか。

固定資産については、会計ソフトで固定資産の管理台帳があり、決算や償却資産税の納付などの際に必要なため、ある程度の管理ができているかと思います。

しかし、10万円以下のモノについては、固定資産にならず、備品費や消耗品費などで買った日に全額経費にできることから、会社内部での管理がされていない場合があります。

ペン1本など細かいモノの管理は難しいかもしれません。

台車や掃除機など大きなものや1万円以上のものなど、物理的・金額的にも比較的目立つものだけでも定期的にチェックしてみましょう。

備品や消耗品のチェックが必要な理由

備品や消耗品のチェックが必要な理由は2つあります。

従業員による不正の抑止

購入手続きは会社のルールとして正しい処理がとられていた場合であっても、そのあとのモノの管理まではされていない場合があります。

時々、ニュースで職場支給の物品が転売されていたというのを見かけます。

過去の関与先で、数か月前の経費で処理されていた電化製品や台車を関与先の職員に確認したところ、所在不明ということがありました。

購入して時間が経過すると、モノに対する認識は薄くなるかもしれません。

モノの存在を忘れてしまうと、気づかないうちに紛失・盗難などの可能性も出てきます。

共用物品・高価な家電製品などは定期的に確認しておくと、不正を抑止することができます。

支出の抑制

会社の業務で本当に必要なものは、会社で購入するのは自然なことです。

ただ、自腹じゃなく会社の経費で落ちるんだから、と浪費する人がいます。

会社によっては、高額物品は会社内で稟議のうえで購入と決まっていても、安価な物品は現場の裁量で自由に購入できる場合があります。

ここで、コスト意識のない人が裁量を持つことで、必要性を検討しないまま職場がモノであふれる、ということもあります。

そして、請求を見ると、高額物品よりも支出が多いなんてこともあります。

個々の商品の購入については、会計帳簿では見えない部分もあります。

管理部門で請求書をみて購入量の推移をエクセルでまとめるなど、過剰な支出がないかを定期的にチェックします。

そして、支出が多い商品の量や購入サイクルなど、気になる点を実際に購入した職員に確認します。

こうして、管理部門が定期的にチェックすることで、現場の過剰な支出を抑制することができます。

備品や消耗品のチェック方法

現物を確認する

固定資産については、決算や償却資産税の申告のタイミングで必ず確認しているかと思います。

あわせて、高額な消耗品や備品なども実際にあるかを確認するようにします。

できれば、普段から備品も固定資産と同じように、管理簿を作る・購入日や管理番号などのラベルを貼るようにしておくと現物確認がしやすいかと思います。

ただし、現場の備品台帳を作成する場合は管理部門(経理)と協力して作成したほうがいいです。

なぜなら、現場の資産や消耗品の認識と経理の固定資産や消耗品の認識は、税務会計への理解度の違いもあって、全く異なる認識をされます。

場合によっては、現場と管理部門で2つ管理簿があって二度手間になるため、社内で一元管理できるようにします。

請求内容をチェックする

毎月の請求内容を比較して、購入が異常に多い月がないか、などをチェックします。

消耗品の購入会社によっては、請求データをエクセルで入手できるところもあります。

会計帳簿でわからないところも、個々の商品の月次推移をとることで、異常な購入量を発見できます。

印刷業ではないのに、プリンタのインクの消費量が他社より多いお店がありました。

事情をきいたところ、お店のサービスの一環でお客さまと写真を撮って配布していた、ということで、私的利用ではないため経費として問題がありませんでした。

会計帳簿や請求書単体では見えなかったですが、推移をみて異常値を発見することができます。

不要なモノを整理する

過剰にモノを持ちすぎると、1つモノが行方不明になっても意外と気づかなかったりします。

販売商品で「在庫は罪庫」という言葉があったり、ミニマリストのようにモノは最低限でいいという考え方もあります。

ITやDXが加速すると、アナログ管理のための備品や消耗品は少しずつ減らすことは可能かと思います。

会社の備品や消耗品も過剰に持たないよう心掛け、職員が共有して使う場所は整理し、モノの定位置を決めておきます。

そうすることで、紛失などあった際に、誰でも気づきやすくなります。

まとめ

備品や消耗品のチェックが必要な理由と、チェック方法について書いてきました。

固定資産のように管理ができない場合でも、備品や消耗品を少しずつ管理できるようになると、社内の管理やコスト意識も芽生えやすくなるかと思います。

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