個人事業主の方から、
「車は何%まで経費にできますか?」
「スマホは8割くらいで大丈夫ですか?」
と聞かれることがあります。
一方で、すでに家事按分をしている方に割合の根拠を聞くと、
「何となく8割です。」
「ネットで見た割合です。」
という回答も少なくありません。
家事按分には、「車なら○%」「スマホなら○%」という決まった割合はありません。
今回は、家事按分の割合をどのように考えればよいのかについてかいています。
本当にその割合で説明できるのか
昔は、「とりあえず8割」「前年も8割だから今年も8割」というような決め方を見聞きすることがありました。
最近では、会計ソフトやネット記事などでも家事按分の考え方やほかの人の按分例が紹介されており、以前より情報を調べやすくなっています。
しかし、それらはあくまで一般的な例です。
実際の使用状況は人それぞれ異なるため、その割合が自分にも当てはまるとは限りません。
私も家事按分の相談を受ける際には、最初から割合を決めることはありません。
まずは、
・どのように使用しているのか
・事業とプライベートでどの程度利用しているのか
という実態をゼロから確認します。
「100%事業用です」と言っていた場合でも、詳しく確認するとプライベートでも使用しているケースは少なくありません。
・部屋の一室を物置として使用しているだけなのに、自宅家賃を100%経費にしている
・車は100%事業用と言われていたものの、休日は遠方へドライブに出掛けている
・100%事業用としている車で買い物に行き、経費とプライベートの買い物が混ざったレシートが出てくる
はたして、このようなケースで「100%事業用です」と堂々と言えるでしょうか。
家事按分で大切なのは、「何%にするか」ではなく、「なぜその割合なのか」を説明できることです。
割合は使用実態から考える
家事按分の割合は、「事業で使用した分 ÷ 全体」という考え方が基本です。
車を平日のみ仕事で使用しているのであれば、「5日 ÷ 7日 = 約71%」です。
ただし、これも使用実態により異なります。
例えば、
・平日は毎日仕事で往復8km使用(5日間で40km使用)
・休日は毎週趣味で往復60kmのドライブ
という使い方であれば、ドライブでの走行距離のほうが多いため、平日に5日使っているから71%で説明しきれないです。
この場合は、走行距離をベースにして、
平日40km ÷ (平日40km + 休日60km) = 40%
の方が、実際の利用状況に近い割合になります。
このように、日数だけではなく、走行距離や使用時間、使用面積など、その支出に応じた合理的な基準で考えることが大切です。
下記の国税庁のタックスアンサーでも、「必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます。」とされています。
つまり、「何%まで経費にできるか」という問題ではなく、「その割合を合理的に説明できるか」が重要になります。
おわりに
家事按分の割合の考え方についてかきました。
「車は何%」「スマホは何%」という正解はありません。
大切なのは、実際の使用状況に基づいて割合を決め、その根拠を説明できることです。
ネットや会計ソフトで紹介されている割合は参考になりますが、そのまま採用するのではなく、自分の事業や利用状況に当てはめて考えるようにしましょう。
