「ふるさと納税で節税できるらしい」
「年末調整だけで手続きできるから手続き不要」
そんな話を聞いて、内容を深く理解せずに寄附してしまう人をよく見かけます。
確かに制度として寄付金控除は受けられますが、申告の方法や寄附の金額によっては、控除もれや申告もれが発生する場合があります。
今回は、確定申告をする際のふるさと納税の注意点について書いています。
確定申告をするとワンストップ特例は無効になる
ワンストップ特例制度とは、「年末調整だけで所得税が計算される会社員のように、確定申告をしない人」が、ふるさと納税の寄附金控除を自動で反映させるための制度です。
そのため、医療費控除や副収入などで確定申告をする場合、確定申告の情報が優先されるため、ワンストップ特例は無効になります。
「都道府県や市町村が確定申告不要と言っているから、確定申告に寄附を書かなくてもいい」という考えは正しくありません。
ここを理解せずにふるさと納税分の寄付金控除を書かずに申告すると、ふるさと納税分の寄附金が控除もれになってしまい、思った通りの減税が受けられなくなります。
返礼品は実は税金の対象になる場合もある
ふるさと納税で受け取る返礼品は、原則として一時所得として課税される対象です。
一時所得には特別控除として50万円があり、50万円までは税金がかかりません。
実際には、多くの方の寄附では返礼品の合計額が50万円を超えることはほとんどないため、通常はあまり心配する必要はありません。
しかし、ほかに一時所得がある場合は注意が必要です。
例えば、競馬の払い戻し金、保険金の解約返戻金、生命保険や個人年金の一時金、懸賞の賞品などです。
こうした一時所得と返礼品の価値を合算して50万円を超えると、申告義務がある可能性があります。
また、返礼品の価値の計算は、実際に支払った額ではなく、地方公共団体が謝礼(返礼品の調達・提供)のために支出した金額(返礼品調達価格)を算定の基礎とする必要があります。
これは、国税不服審判所の令和4年2月7日裁決でも明記されており、返礼品の価値を正確に計算するには専門的な判断が求められる場合があります。
通常の寄附では税金を気にする必要はほとんどありませんが、ほかの一時所得がある場合や返礼品の価値の算定には注意が必要です。
おわりに
ふるさと納税で控除を受ける際は、
・確定申告をするとワンストップ特例は無効になる
・返礼品は実は税金の対象になる場合がある
を正しく理解して整理することが大前提です。
実際、税理士に確定申告に関する相談や依頼をする際、相談者の中には「ふるさと納税は申告不要」と思い込んでいて、寄附を行ったこと自体を税理士に伝えない方もいます。
そのため、わたしは確定申告を行う方には、必ずふるさと納税を行ったかどうかを確認し、確定申告をする場合にはふるさと納税分の寄付金控除を忘れずに書く必要があることをお伝えしています。
上記の2点を理解したうえでふるさと納税を行うことで、寄付金の控除もれや一時所得の計上もれをするリスクを避けることができます。
