会社や個人事業では、極力現金での支払いをやめたほうがいい、というのは聞いたことがあるかと思います。
なぜなら、現金支払いの場合は客観的な証拠が残りにくい、受け渡し間違いや横領の危険があり、月末に持っている現金の額と記録上の現金の額が合わない、といった問題があるからです。
そのため、経費の支払いは事業の口座やクレジットカードから、職員の経費精算は給与と一緒に行う、という場合が多いかと思います。
しかし、講師の方へ謝礼を払う、役員など一部の職員の経費精算をその場で行う、というようにどうしても現金で払う場合もあるかと思います。
今回は謝礼や経費精算を現金で払う場合の気遣いについて書いています。
きれいなお金を渡す
タイトルで「気遣い」と書いていることからわかるかもしれません。
現金払いでの一番の気遣いは、きれいなお金を渡すことです。
普段から金融機関の方と取引がある、近くに銀行やATMがある場合は、新札を用意しやすいかと思います。
新札がない場合でも、金庫などに持っているお金の中できれいなお金(汚れや折り目のないお金)を探して用意します。
また、小銭もきれいなお金(さびていないもの)を用意しましょう。
一般職員の経費精算では、講師や役員ほど気を遣わないことも多いかと思います。
わざわざお金を用意しない場合でも、せめて汚れていないお金を用意しましょう。
わたしが過去に勤務していた職場で、わたし自身が立て替えた経費の精算でくしゃくしゃになったお札で支払われて悲しい思いをしたことがあります。
やはり、同じ1万円だとしても、きれいなお金と汚れたお金では受け取る側の心証は変わるため、きれいなお金を用意しましょう。
封筒に入れる際、小銭は小袋にまとめる
講師の方に謝礼を支払う場合を考えます。
手取りで20,000円の謝礼を支払う場合は、支払う側で源泉所得税や消費税を逆算する処理は必要ですが、お金の用意自体は1万円札2枚だけですみます。
一方、総額で20,000円(消費税抜き)だった場合です。
その金額の消費税10%込みの金額は22,000円です。
そこから、源泉所得税10.21%分2,042円を差し引きます。
実際に講師に支払う金額は19,958円になります。
この場合に用意するのは次の金種です。
お札は、1万円札1枚、5千円札1枚、千円札4枚。
小銭は、500円玉1枚、100円玉4枚、50円玉1枚、5円玉1枚、1円玉3枚。
このとき、謝礼は封筒に入れて渡すかと思います。
その際、お札と同じように小銭をそのまま入れるのは避けたほうがいいです。
なぜなら、そのまま小銭を入れた場合、お金を取り出そうと封筒を逆さにすると小銭が散らばってしまいます。
そのため、小銭については、小銭を一度紙で包むか小さい袋などに入れてから封筒に入れるようにします。
こうすることで、封筒は少しかさばりますが、お金を取り出すときに封筒を逆さにしても散らばらなくなります。
一般職員の場合は、使用済封筒を使ってもいいと思いますが、小銭が散らばらないように包む配慮はしたほうが良いでしょう。
職場によって、こういう配慮をするかしないかは社風によると思います。
些細なことですけど、こういう配慮はしてあげたほうが、受取時の現金事故を少しでも減らせます。
おわりに
振り込みやカード支払いなどで現金で直接支払う場面は減っているかと思います。
減ったからこそ、数少ない現金支払いの場面での気遣いが目立つようになるかと思います。