みんなの電子署名終了に思うこと

PC/IT

契約書を作成する際、紙の契約書に署名押印し、印紙貼り付けして補完する従来の方法から、最近は電子署名サイトを使ってデータで署名記録とともに契約書を残すケースが増えてきました。

電子署名サイトは、いろいろありますが、一か月数枚作成する場合は無料、一定枚数以上は月額料金が必要、というパターンが多いです。

そんな中、ネット系企業の老舗であるvectorの電子署名サイト「みんなの電子署名」は、無制限で電子契約書の作成と1年間の保管ができるサービスでした。

しかし、2024年の11月末で新しいサービス「ベクターサイン」という月額料金制のサービスに統合され、終了することになってしまいました。

今回は、「みんなの電子署名」終了に関して気になったことを書いています。

みんなの電子署名とは

ベクターサイン
ビジネスの未来を切り拓く、トラストサービスの決定版。信頼性と高い拡張性で、DXを加速させるソリューションです。

冒頭にも書きましたが、ネット系企業の老舗であるvectorの電子署名サービスです。
電子署名サービスといえば、大手のクラウドサイン、GMOサインなどの方が有名で、今回初めてみんなの電子署名を聞く人がいるかもしれません。

無料会員でも無制限で電子署名の契約書を作成できることから、このサービスを使う予定でユーザー登録していました。

契約書の場合、自分と契約相手が必要のため、どういうものなのか全くイメージがつかなかったのですが、みんなの電子署名では、ベクターの担当の方に見本の契約書を送付して、確認して返送してもらうことで、電子契約の流れを体験することができます。

電子署名のしくみを簡単に書くと次のようになります。
1.あらかじめWordなどで作った契約書をPDFで出力する
2.出力した契約書PDFを電子署名サイトにアップロードする
3.電子署名サイトに契約する自分と契約相手の情報を入力する
4.電子契約サイトで自分が署名する
5.電子署名サイトから、契約相手に署名依頼のメールを送る
6.契約相手に署名をもらったら電子署名サイトから通知が来る
7.自分と相手の署名が入ったPDFを保管する

みんなの電子署名の場合は、署名といってもPDFに何か書き込むわけではなく、契約内容への同意の証拠として、PDFにいつ・だれが署名したか、という情報が残ります。
そのため、PDFを確認することで、自分と相手が署名した事実を確認することができます。

電子署名が初めてで不安でしたが、実際にはWebメールで添付ファイルをつけて相手に送付するぐらいの手間でできることにほっとしました。

唯一問題だったのは、自分だけでなく、契約相手もみんなの電子署名へのユーザー登録が必要だったことぐらいでしょうか。

無料だから最初に登録した、というのもありますが、ネット系企業の老舗で、便利なPCソフトをいろいろ紹介しているサイトで昔からベクターになじみがあったというのが大きかったです。

1つに依存することの問題を改めて実感

無制限に電子契約を作成できるため、みんなの電子署名で契約書業務を行う予定でいました。
ところが、先月(2024年2月)末にサービス終了の告知がされました。

理由としては、新しいサービス「ベクターサイン」への統合とのことでした。
ベクターサインは無料では使用できないため、ほかのサービスを探すことになってしまいました。

わたしは、みんなの電子署名を知ってまだ間もないですが、サービス開始(2021年2月)から利用している人にとっては、突然の終了と有料化サービスへの移行で驚いているのではないでしょうか。

無料で利用させていただいていることには感謝しつつも、ネット関係のサービスは突然の終了や値上げ、利用制限があるリスクを改めて実感しました。

便利なものは感謝して使いつつも、そのサービスに依存しすぎず、サービスが無くなった場合の代替手段などは常に頭の片隅に置いておく必要がありそうです。

契約書の場合は、内容によっては収入印紙代より電子署名サービスの料金のほうが高くなる可能性もあり、単にお金をかけたくない、というだけなら従来通りの紙での契約書作成のほうがいい場合もあります。

ただ、電子署名の契約のほうが、収入印紙不要以外にも資料の散逸がない・署名が早い・保管場所を取らないなどメリットは大きいかなと思います。

そのため、ほかの電子署名サービスの利用は選択肢にあっても、紙での契約書作成は選択肢にはありません。
クラウドサインやGMOサインは少しだけ無料で利用できるため、このどちらかで考えています。

おわりに

今回は、みんなの電子署名サービス終了で感じたことを書きました。
便利なサービスですが、ネットサービスのリスクについて改めて考えさせられました。

タイトルとURLをコピーしました