おととし、去年、今年と基礎控除が毎年改正されました。
最近の経済状況を反映してのこともありますが、2020年代に入ってからは基礎控除は頻繁に改正されています。
2019年までは、生活費保障のため全員一律で38万円だったところ、所得の大きさによって区分が細かくなり、大半の人は控除額が上がることとなりました。
去年、大幅に上がる改正をした翌年にさらに上げるというのも気になりましたが、所得税の節税についての「少しでも経費を増やしたい」「控除を最大化したい」という考え方も見直したほうがいいかもしれないと感じました。
今回は、基礎控除の改正で税理士が感じたことについてかいています。
「去年と同じ」節税は難しい
基礎控除額の推移は、現時点(2026年5月)では次のようになっています。

合計所得金額2,350万円以下の場合は、控除額が年々増えていることがわかるかと思います。
また、来年の控除額も昨年の改正時よりも増えています。
今後は、2年ごとに見直すこととされていますが、来年変わる可能性もないとは言い切れません。
基礎控除の改正自体は前回の記事でも触れています。

基礎控除が上がると、去年と同じ所得の場合は税負担は基本的には少なくなります。
また、多少所得が増えても控除が上がったため以前ほど税負担が増えない、場合によっては以前より税負担が少なくなる可能性もあります。
そのため、何もしなくても基礎控除で節税と同じ効果が得られるため、「無理して経費を作って所得と税金を減らす」という効果は以前よりも薄くなっていると思います。
反対にグレーな経費計上をしているリスクを負う可能性があります。
過剰なふるさと納税なども思うように効果が得られず、反対に返礼品の一時所得の申告が必要な手間だけかかる可能性もあります。
制度が毎年変わる状況では「去年こうだったから今年も同じ」が通用しづらいです。
その一方で、「節税のため」といって控除や経費を増やすために時間やストレスを使い、さらにはお金を使いすぎるのは本末転倒です。
「攻めた節税」よりもクリーンに利益を残す
当事務所では法律のぎりぎりを攻めるような節税やグレーな経費計上をしないようにしています。
個人の方の場合、自分では節税と思っていても法律に照らせば脱税なケースが見受けられます。
また、経費や控除でお金をたくさん使うと手元には残らないですし、ぎりぎりを攻めたことに対するリスクが残ります。
青色申告者の場合は、特別控除65万円と基礎控除で、きちんとやっていればそれだけで100万円以上の経費を使ったのと同じ節税効果があります。
そのため無理な経費計上や控除を使って目先の税金を減らすよりも、業務の効率化で売り上げを減らす、時間やコストの無駄を削るほうが長期的な利益につながります。
税金を払った後の残ったお金は、合法的に自由に使えるお金です。
無理な節税のためのお金よりもこういったお金を残す、そのほうが事業の資金繰りや安心感につながるのではないでしょうか。
おわりに
基礎控除の改正で税理士が感じたことについてかきました。
毎年のように基礎控除が変わる状況では「とにかく所得を減らす」考え方は以前より効果が薄いと思います。
とにかく経費を使う・過剰な節税する、という昔ながらの発想は、クレカや預金口座の連携をはじめfreeeのシステムに寄せて業務を効率化・定型化させる行為とは合わないと感じてます。
それよりも、効率化やシステム化でお金や時間を少しでも多く、クリーンに手元に残すことがより求められているように感じています。

